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アールテクニカ地下ガレージ

アールテクニカ株式会社の製品開発・研究開発・日々の活動です

Neuroonで睡眠してみた

Author

koss (社長)

 

「これを使えば2~3時間の睡眠で足りるようになる、驚異の睡眠革命!」みたいな謳い文句と共に発表されたNeuroonがようやく届いたので、眠ってみた。

 予約から到着まで1年4ヶ月

事前予約をしたのが2015年1月。その年の5月くらいには「そろそろ出荷がはじまるよー」なんてメールが来ていたのだが、動きがないまますっかり忘れてしまってて、その間に引越しちゃったりして、以前の住所に届いてしまったので再配達してもらって手元に来たのが今年2016年の5月はじめ。

 その間に「Neuro:On」だった製品名が「Neuroon」になり、いつのまにか「2時間の睡眠でOK!」が「あなたの睡眠をサポートするニューテクノロジー」くらいにトーンダウンしている。

 もっとも、睡眠時間を2時間にすることを本当に期待していたわけでもなく「そこまで言う根拠になってる技術やサービスを見てみたいな」くらいのものだったので、この時点では大きな失望はない。

ファーストインプレッション

本体は2つのパーツから出来ている。1つはスポンジ質のマスク。もう1つはシリコーンでハウジングされたコントロールユニット。コントロールユニットには、(写真には写っていないが)額に密着させることになる電極、LED、バッテリー、それらを載せた基盤が内包されている。コントロールユニットをマスクにはめ込んで使う。

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両者は完全に分離可能なので、使用を重ねてマスクが汚れたら安価に交換できると言うことだろう。ただ、送料込みで3万円を超えるものだけど、マスク部に高級感はない。マスク部は消耗品と考えればこんなもんかな。

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合体させて内側から見るとこうなっている。電源を入れると目に当たるところに青いLEDが光る。機能や状態によって、光は緑や橙になる。

眠る前の準備

micro USBケーブルでコントロールユニットに充電して、スマホ(僕はiPhone)のアプリをダウンロードする。Neuroonのサイトのアカウントは購入した時点で作ったはずなので、アプリ上でログインし、届いた本体をサービスにリンクする。特に難しい手順はない。

neuroon.com

ハードウェア製品があって、その制御やデータの蓄積はクラウドの向こうで、と言うサービス指向の時代にふさわしい構成に自然に誘導されてしまうのは見習いたいところだ。

さて、アプリ内を見て回ることで、このNeuroonというデバイスとサービスがやってくれることを、ようやくおぼろげに理解した。どうやらこの3点らしい。

  • 快適な(入眠と)目覚まし
  • 睡眠状態の記録
  • 生活改善のための一時的な睡眠ナビゲーション

以降、これらを少し詳しく紹介していく。

ところで、アカウントに本体がリンクされるので、複数人による本体の使いまわしは基本的にはできない。睡眠の記録を取ったりする製品の性格上、まあ当然ではある。

快適な(入眠と)目覚まし

 さっそく眠ってみよう。おそらくもっとも基本的な機能であろう「目覚まし」を使ってみる。Neuroonの中では「アラーム」と呼ばれている。

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アラームには「バイオリズム」「ONE DAYアラーム」の2種があり、その名から想像がつくように、前者は毎日起きる時間の設定、後者は突発的にいつもと違う時間に起きなきゃいけない時に使う。さらに「バイオリズム」の時間の設定は「平日」「週末」それぞれで設定でき、細かい使い勝手を考えてある。

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ここで注目したいのは「毎日何時から眠るか」と言う設定は「バイオリズム」にもないところ。"規則正しい生活"を目指すなら眠りに入る時間を設定しておいても良さそうなものだが、現実的にはそうならない人が多いだろうからか、それともとにかく起きる時間さえ一定ならバイオリズムはできる、と言うことだろうか。いずれにせよ「何時から眠る」と言う設定はしなくてよい。

 その代わりに、眠るときに「睡眠を始める」ボタンを押して"これから寝ますよ"と宣言をする。

アプリに促されて、本体の電源を入れたらマスクを着用する。

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おやすみなさい。(いろんな意味でボケボケなのは睡眠前のまどろみだからということでごめんなさい)

入眠

マスクの内側では両目のところで緑色LEDが光っている。目を閉じて静かにしていると数秒でフッと消える。これが睡眠の誘導になっているのか、その意図があるのかは不明だが、身体を動かしたりマスクをずらしたりすると再度点灯して「起きてるの知ってるぞ」と言わんばかりだ。途中マスクが外れないように、もしくは自分で外さないように、ややキツめに締めておくと良さそうだ。

そして、だいたいすぐに眠ってしまう僕はすぐに朝を迎えるのであった。

目覚まし

アラームでセットした時間の約30分前になると、両目にオレンジ色の薄い光が灯る。これが少しずつ明るく、赤くなっていくことで、ゆったりと目が覚めると言うことだ。ここで目が覚めたらマスクを外し、電源を切る。光だけでは起きないと、ブルブルと振動も加わり、さすがに目が覚めるだろう。

このように優しく起こされたからと言って、特段「シャキーン」と目が覚めたとわけでもないのだが、それでも朝が弱い僕がちゃんと起きてられるから有効ではある。

睡眠状態の記録

目が覚めて「さてさて、僕の睡眠はどうだったかな」とアプリを覗いてみるも、今日の睡眠の記録が見当たらない!アプリ内のボタンのラベルがところどころ怪しかったりするので「さては未完成か!」と疑ってみたのだが、本体の電源を入れたところ、アプリへの睡眠データが転送されはじめた。マニュアルには「目が覚めたら電源を切ったらデータが転送されます」的に書いてあったが、そうはならないことがあるので注意。もう一度電源を入れないと睡眠後のデータ転送が始まらない!のだよ。

 睡眠データ

 気持ちの若干の行き違いはあるものの、データ転送が完了するとこんな感じで睡眠を分析してくれる。

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「起きている」「レム睡眠」「浅睡眠」「深睡眠」の時系列マップや割合が示されることで傾向が良く分かる。マスクが外れている時間は「起きている」「マスクが外れた回数」などとして表現される。

で?

総合判断としての「睡眠スコア」も「心のリフレッシュ」も具体的な意味が分からない。いや「心のリフレッシュ」はどうやらレム睡眠のことを指しているようで、ここで取り上げられるくらいだからレム睡眠が良い睡眠の指標になるのだろう。でも、これらをどう活かせばよいのかが分らない。

 額につける電極や両目に当てるLEDを通して、デバイス側から積極的に睡眠に関与するでも無さそうだし、もちょっと軽いところで「睡眠に向けて次からどうしよう」とアドバイスをくれるわけでもなし。

毎日の睡眠データは蓄積されるので、自分の睡眠がどう移り変わって行くのかは把握できる。

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 現時点では「知りましょう」と言うところか。脳波センサーによる精度の高いデータ収集がウリと理解すればいいのだろうか。

生活改善のための一時的な睡眠ナビゲーション 

 日々の睡眠のケアだけじゃなく、短時間のスポット的な睡眠をサポートする機能もある。

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「LIGHT BOOST」は20分間、目に強い白い光を当てる。光を浴びることで心身が活性化されることはよく知られている。目である必要はないらしいが。

「POWER NAP」から「ULTIMATE NAP」は20分から90までの仮眠をガイドしてくれる機能。20分の「POWER NAP」を体験してみたところ、単に20分後に目覚ましシーケンスが発動するだけ。90分もそうなのだろうか…。

あっ!!

ひょっとすると、当初の「2時間睡眠でOK!!」とはこのことなんじゃないのか!?

睡眠の1サイクルは大体90分だと言われているので、個人差を考慮しても2時間あれば1サイクルで心も体も休まるよ。ってことだったんじゃないのか。さすがにそれは睡眠の絶対量が足りない乱暴な話だからトーンダウン。だったんじゃないのか。

今後の付き合い方

 ここまで読んでいただいて、好評価ではないと思われたかもしれないが、使用感は悪くない。はっきりとした効果が感じられないだけだ。

もしかしたら「アプリケーションとしての睡眠」と言う大きな価値を産み出すことができるのかもしれない。特に、短時間の睡眠は、ガイドの作り方次第で化けるような気がしなくもない。つまりソフトウェア次第。でもNeuroonから人体への働きかけは目に当てる光と振動しかないことから、やれることは少ないんじゃないか。

すっきり整理できていないから、もうしばらくは使い続けてみるつもりだ。

 

 

 

Author

koss (社長)

アールテクニカ株式会社 代表取締役。株式会社エイガアルライツ取締役として漫画『コブラ』などの寺沢武一作品を世に送り出すプロデューサーでもある。 「映画 / 音楽 / 生き物 / 宇宙 x IT」を人生のテーマとする。 昆虫の変態専門チャンネル「コーカサスTV」をUstreamにて配信中。みんな見てくれよな!

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