羽田
中国のiOSセールスランキングは、業者や自演でランキング操作が蔓延しています。
2016/11初旬にAppleはランキング操作をしているアプリに対して大規模な制裁をしたようです。
中国のセールスランキングの現状と制裁による状況を解説します。
セールスランキングの異変
大規模アプリ削除
こちらはApp Annie から取得した、2016/09/30における中国のセールスランキングTop100です。
Top100を眺めると「?」となっているアプリが合計13個あります。これら全てが該当する訳ではないかもしれませんが、「?」はAppleが App Store から除外したアプリの可能性が高いです。この時点のTop100の内、実に13個ものアプリが削除されたとなると尋常ではありません。
上に示した削除されたアプリはTop100の中だけであり、実際には数百を超えるアプリが削除されたと言われています。
こちらのランキングデータは App Annie から取得したもので、該当するアプリの詳細を見ようとすると上のように表示されます。
アプリ削除は中国限定?
同時期に中国以外でアプリがランキングから削除された形跡は見られません。
Apple が中国限定で行った処置のようです。
中国のランキング事情
ランキング操作
中国に限らずアプリの販売では広く注目を集めてユーザーを増やすのが有効な手段です。
App Store を開いてすぐに登場するアプリは注目を集めやすくなります。このピックアップされるアプリは大量にある無料アプリからピックアップされる可能性よりも、有料アプリからピックアップされる可能性が高い傾向にあるようです。
中国ではこれを利用して最初に最小額の1元でリリースして、注目を集めるための初期投資として自社買いする事で有料ランキングを駆け上がる案件が横行してしまったのです。十分な初期ユーザーを獲得したアプリは無料へ切り替えて本格的な運営を開始する手法が蔓延しているようなのです。
会社ぐるみの犯行と大手株価への影響
7位の Qihoo 360 と8位の 37Wan は、28位と80位で複数のアプリが同時に削除されているので、会社ぐるみでランキング操作を行っているのが見て取れます。
中国大手の、TencentとNetEaseはランキング内では削除された形跡はありません。セールスランキング上で多数のアプリがランクインしているTencentとNetEaseは、ランキング操作が行われていた影響でランクインしていたアプリ数が減少していました。ランクインアプリが減ったせいで運営が悪くなったように見えたため両社の株価に少なからず影響を与えていたそうです。
ランキング操作は無くなるのか?
今回の一斉削除は Apple の、ユーザーの購買動向に大きな影響を与えるランキングを健全化させようとしている意思が見えます。
実は以前から削除されるアプリは散見していましたが、削除されたにも関わらずランキング操作は減らず、削除されたアプリはすぐに再申請されて復活などという状況だったそうです。
今回で流石に少しは懲りたのでは?と思いたいですが、ランキング操作は形を変えてバレないよう巧妙に効果を発揮する方法を編み出してくるのではないでしょうか……。
ハダ
iOS/Android/Windows/Macなど各プラットフォームを手がけています。
前職は家庭用ゲームのプログラマでしたが、最近はスマホとPCでばかりゲームしています。