カムラ
本ブログを担当することになりましたカムラと申します。
社内では主に映像系ソフトウェアの企画をしたり映像を作ったりしています。
技術ブログということで始まった、この「アールテクニカ地下ガレージ」ですが、
私にはITの技術に対する知識は全くと言っていいほどありません…勉強中です…!
そんな私ですが、大学時代は映画・映像を勉強してきましたので、
現在のソフトウェア企画をしている身から
ITと映画・映像との関わり合いについて考えていけたらと思います。
I映画制作とITの橋渡しが必要
現代の映画制作においてITに関する知識はますます必要になっています。
その要因として大きいもの(というより要因)にデジタルシネマの普及が挙げられます。
デジタルでの撮影が普及することでカメラ製品のサイクルは早くなり、
各メーカーで策定された映像フォーマットは増え続けています。
一例として
ProRes
CinemaDNG
DNxHD
XAVC
XAVC S
AVC-Intra
RAW 各種…など収録フォーマットや編集用フォーマットを含めると様々です。
上記のような様々な収録ファイルの互換性の問題や、PC上でのファイルの取り扱いなど
フィルム時代では考えられなかったトラブルの可能性もはらんでいます。
ファイルベースではだれでもパソコンさえあれば簡単に操作できてしまうため、
ユーザー間でのファイルのやり取りや、ハードな現場での操作ミスやファイルエラーにも注意しなければなりません。
そういった状況で必要になってくるのがIT分野の知識です。
ファイル変換やコマンドラインの知識はもちろん、編集ソフトの機能をプログラミングで拡張することも必要に応じてしなければいけないかもしれません。
そのためにはどちらの知識にも明るい、橋渡しができる人材、もしくは橋渡しを担うツールが必要です。
例えば、制作スタイルとして一貫してファイルデータを取り扱うようになったことで、
AUTODESK社のSHOTGUNやPomfort社のSilverstackのように、PC上で進行管理やデータ変換を行なうツールも誕生しています。
area.autodesk.jp
上記のSHOTGUNはPythonで記述されており、GitHubに公開されてあるソースにアクセスし、コードをフォークすることが可能です。
単体でも活用できるプロダクション業務の橋渡しを担うツールではありますが、
更にこうしたツールをカスタマイズして使うことで、作品ごとの制作スタイルに合わせたワークフローを提供することが可能になります。
また、より一層ITとの親和性が高まっていくであろう映画制作において、
そのワークフローの橋渡しをする新たな職種として、
DIT(デジタルイメージングテクニシャン)という職種も、やはりデジタルシネマが普及しだした数年前から時を同じくして誕生しています。
ITとDITってなんだか響きも似てますね!
ファイル管理が主だった業務の1つとして挙げられるDITですが、
やはりその業務にはIT分野の知識と映画制作に明るいことが必須と言えるでしょう。
このDITにつきましては、また次回からも書いていきたいと思います。
ここ2000年代に入ってから加速度的に近づいてきた映画分野とIT分野ですが、
やはり両分野の情報の共有がまだまだ必要だと考えます。
映画を学ぶ学校でもっとIT分野の教育が進んだり、
こちらからもっと交流したりすることも必要かもしれません。
私もIT分野の制作者の方と映像制作者の方との情報の橋渡しができるよう、
当ブログに記事を書いていけたらと考えています。
また次回からよろしくお願いします。
カムラ
アールテクニカで映像技術担当。大阪の芸術大学で映像を学んだ後、社長に拾っていただきジョイン。社内では映像系のサービスやアプリ企画を作っています。