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アールテクニカ地下ガレージ

アールテクニカ株式会社の製品開発・研究開発・日々の活動です

BelaのAdd Onカードを紹介

Author

コイデマサヒロ

個人的に注目しているBelaの拡張カード2種類を入手しましたので紹介します。
正式にストアもオープンしましたので、Bela本体をはじめ入手しやすくなりました。(在庫を豊富に持たないようなのでタイミング次第では多少待つことになりますが...)

Beagleboneの拡張カードはCapeと呼ばれます。これは、Arduinoのシールドのようなものです。Capeの拡張カードがCapeletということのようです。Capeの拡張用ですので単体では使用できません。Bela本体はCapeですが、今回紹介する2つはCapeletです。

今回は、この2つのCapeletのハードウェアスペックを中心に見ていきます。

f:id:atkoide:20161129183220j:plain(2つのカードを並べたところ)

以前のBelaの記事はこちら
超低レイテンシーなIOボード『Bela』を試す(Part.1) 
超低レイテンシーなIOボード『Bela』を試す(Part.2) 
超低レイテンシーなIOボード『Bela』を試す(Part.3) 

Bela Aduio Expander Capelet

BelaのアナログI/Oをオーディオチャンネルとして使うためのカードです。Bela本体側のアナログI/Oポートもオーディオとして使えないことはないのですが、回路を追加しないと取り扱いにくいため、別途専用カードを設けたということでしょう。

これがBela Audio Expander Capeletです。単体で見るとBela本体と似ていますね。f:id:atkoide:20161129183251j:plain

Belaに乗せてみた写真です。f:id:atkoide:20161129183347j:plain

IOコネクタ部がうまくBela本体と干渉しないようになっています。Capeは一度はめてしまうと抜くのが大変です。ちなみに、オーディオ用ケーブルは別売りです。自作できる類のモノですが、できれば購入したほうが良いでしょう。

スペックを見ていきます。
オーディオイン、アウトは、それぞれ、44.1kHzで合計6chまで利用できます。元からある本体の2chとAudio Expander Capeletの4chで合計6chということです。22.05kHzであれば、合計10チャンネル(Audio Expander Cpalet上では8ch)まで利用することができます。ビットレートはどの場合も16bitです。

Audio Expander Capeletの仕組みについては、
http://bela.io/archive/audio-vs-analogue.html
で詳しく説明されていますが、アナログポート用のAD/DAで使っているICは、オーディオ用とは元から仕組みが違うらしく(ICとしては高価らしいです)、より低レイテンシーではあるもののオーディオ用途としてはやや劣るようです。

変換方式は、入力側は、SAR ADCという方式(参考ページ)で、出力側は抵抗分圧(抵抗ストリング)方式DAC(参考ページ)です。
一般的にアナログの入力はセンサー等のアナログ量を読み取ったり、出力はモーター等を動かすといった用途を前提としており、単純にアナログという言い方であってもオーディオとは基本的には異なります。これらは、単純にアナログ量をデジタルに(あるいはその逆)に変えているだけなので、そのままオーディオ用途として使うとデジタル特有のエイリアスノイズなどが乗ってしまいます。Audio Expander Capeletではフィルターを掛けてノイズをごまかすようになっていますが、元からの仕組みの違いもあるため音質的にやや劣るということのようです。

オーディオ用のDACはシグマデルタ変調方式と言われる一般的なものです。Σ⊿という書き方もよくされます。蛇足ですが、Belaのオーディオがハードウェア的には24bit対応可能なのに16bit限定なのは、Beagleboneとのやり取りのためデータ量を少なくするためだそうです。Beagleboneが非力というより、BelaはIOが多いので、その転送量が問題ということのようです。

多少音質が落ちるとはいえオーディオとしてマルチとして使えるとなると用途は広がります。

詳しい説明、注意事項は本家のこのページを見てください。
https://github.com/BelaPlatform/Bela/wiki/Using-the-Audio-Expander-Capelet
Bela IDEを最新にすれば、サンプルなどもあります。

Bela Mux Capelet

Belaのシステムにマルチプレクサを追加するカードです。
マルチプレクサとは、Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B5)によれば、『2つ以上の入力を1つの信号として出力する機構』とあります。要するに入力を増やすカードです。Bela Mux Capeletは、アナログ入力(オーディオではない)を増やします。

これがBela Mux Capeletです。f:id:atkoide:20161129183431j:plain他とはちょっと違う形状になっていますね。BelaやAudio Expanderと接続したとき干渉しないようになっています。

3つ全部をBeaglebone Blackに載せるとこんな感じです。
f:id:atkoide:20161129183456j:plain
なかなかの壮観です。重さもかなりずっしりしています。

Bela Mux Capeletには専用のリボンケーブルとブレッドボード等にさせるようにする変換コネクタも付属します。f:id:atkoide:20161129183533j:plain

スペックを見ていきます。
Bela Mux Capeletは、Bela本体だと8個のアナログ入力を最大64まで増やすことができます。利用する(設定する)チャンネル数に応じてサンプルレートは変わります。64インにすると2.75kHzで、32インで5.5kHz、16インで11kHz、8インで22.05kHzとのことです。Bela本体側では、22.05kHzで動作していますが、それを分割してチャンネル数を増やしているため、各チャンネルとしてはサンプルレートが落ちるということです。この分割はCapelet上で行っているので、IOとしてBeaglebone側の負荷が高まるということはありません。

64チャンネルも使えるということは、かなり色々なことができそうです。アナログ入力ですが、プログラム側の扱い次第でデジタル入力としても利用できますので入力ちゃんねるとしてはかなり豊富です。
ベロシティ付きの鍵盤的な入力も面白そうです。ギター的なものも作れそうです。個人的にはmonome的なものも面白そうですが、LEDも64個光らせようとするといろいろ工夫が必要そうでBelaだけで簡単にとは行かないかもしれません。MPCライクなPadであればなんとかなりそうです。アナログライクなシーケンサも良いですね。いろいろ夢が広がります。

いまのところ専用の説明ページは内容で、IDEに付属するサンプルを参考に使い方を把握するのが良さそうです。

 

最後に

ざっくりとではありますが、各カードのスペックを見てきました。
Bela本体だけでもいろいろできますが、拡張カードがあれば自分で回路を組む量がかなり減りますので、作りたいもののコアな部分、あるいはソフトウェア開発に集中できるメリットはあります。なにより扱いやすいIO数が圧倒的に多いのはメリットだと思います。

実際に使ってみた様子も記事にする予定です。

 

Author

コイデマサヒロ

ディレクター、プロデューサー、ギタリスト。mimiCopyをはじめ弊社リリースの全てソフトウェア製品の企画を担当。ネイティブアプリ開発がメインでOS問わず対応可。dubバンドのギタリストとしても活動中。

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