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アールテクニカ地下ガレージ

アールテクニカ株式会社の製品開発・研究開発・日々の活動です

Apple音楽サービスのDRM付加状況と対策について

mimiCopy iOS
Author

コイデマサヒロ

 

ディレクターのコイデです。
mimiCopy関連記事の続編です。前回は、Apple MusicのDRMをなんとかして無効化してしまおうという試みでした。記事はこちら↓

Apple Musicの曲をデジタル録音してDRMを無効化(Mac編) 
Apple Musicの曲をデジタル録音してDRMを無効化(Windows編) 


今回は、Apple Musicに関連した別の問題についてです。元々自分が持っていた曲なのに、mimiCopyでミュージックライブラリからインポートしようとするとDRMが付いていて取り込めない場合があるのです。この問題について理解してないと、前回の記事のようにせっかくDRMを無効化したApple Musicの曲をいざmimiCopyで使おうと思っても、またDRMが付いていて読み込めないということも起きてしまいます。

結論から言ってしまうと、この問題を解決するシンプルな方法はありません。しかし、どのような場合に問題が起きるのか? つまり、Appleの音楽関係のファイルのDRMの有無の仕様はどうなっているのかについて理解することができれば、それに合わせた自分なりの運用方法を考えることができるはずです。そこで、本記事ではDRMの状況がどうなっているのかを明らかにし、その対策についても考えてみたいと思います。

 

 

◎そもそもDRMとは何か?

DRMとかDigital Rights Managementの略で、その名の通りデジタルコンテンツの著作権保護の仕組みです。簡単に言ってしまえば、ファイルが暗号化されていて、特定の機器やソフトウェアでしか再生できなくなっているということです。

ユーザーの利便性が欠けることになる場合もありますが、一方で、権利保有者を違法コピーなどから保護しているという側面がありますので、必要悪といえなくもありません。本記事では、DRMの是非は置いておいて、現実的に問題に対応していきたいと思います。

 

Appleのおもな音楽関連サービス

今回の問題の本質は、『本来自分が持っていた曲なのになぜかDRMが付いてしまう』ということです。その本質に迫る前に、今や複雑になってしまっているAppleの音楽関係の主なサービス(&機能)について整理してみたいと思います。

主なサービスとしては、

iTunes Music Store音楽配信サービス)
Apple Music(定額制音楽配信サービス)
iCloudミュージックライブラリ(音楽ライブラリ用ストレージサービス)
iTunes Match(音楽ファイルマッチング&ストレージサービス)
・Radio(ラジオ)
・Connect(ミュージシャンとファンの交流機能)

となっています。
これらサービス(機能)は、それぞれが独立したものではなく、一部では重複しており、複雑に関係しています。(今回はRadioとConnectについては関係ないため除外します。)

これらのサービスの仕様がどうなっているか理解でると、どのような場合にDRMが付いてしまうのかの理解することができると思います。

問題となるのは、iCloudミュージックライブラリからのダウンロードです。これにはiTunes MatchとApple Musicというサービスが絡んでいます。Appleはこんな説明をしています。

よく読めば理解はできますが、少し奥歯にものが挟まった言い方になっていてわかりにくいかもしれません。より具体的かつDRMという視点も意識して詳しく見ていきましょう。

 

iTunes MatchとiCloudミュージックライブラリについて理解する

iTunes Matchには、大きく2つの機能があります。

1つ目の大きな機能は、自分のライブラリ中の曲と、iTunes Music Store上の曲を照合して、同一曲と判断(マッチング)された場合は、iTunes Music Store相当のファイルと差し替え可能にしてくれるものです。例えば、昔にCDなどから高い圧縮率で圧縮した曲でも、低圧縮かつ高音質のファイルに差し替えをしてくれます。
元曲はなんでも良いようで、ラジオとかレコードから録音したファイルでもマッチングされる可能性があります。まるで不正に入手した曲でも正規なファイルへと差し替えてくれるように見えますが、マッチングされるとその曲のアーティストへマッチングの料金が支払われますので、問題なしということなのでしょう。iTunes Music Store相当のファイルと差し替え可能ですので、マッチングされ差し替わったファイルにもDRMは付きません。マッチングされた曲(ファイル)はiTunes Matchをやめてもそのまま利用することができます。 マッチングされてもタグ情報等は原則書き換わることはありません。ただし、低圧縮率で高音質にしていたファイルもiTunes Music Store相当(256kbps AAC)にされてしまうので、この場合は低音質化されてしまうわけで注意が必要です。

2つ目の大きな機能は、ストレージ(iCloud)機能です。自分の曲をiCloudにアップロードしてくれる機能です。アップロードした曲は、別の端末でダウンロードしり、ストリーミング再生することもできます。また実際にアップロードされるのは、マッチングされなかった曲のみです。マッチングされた曲は実際にはアップロードされず、iCloud上ではiTunes Music Store側のファイルに差し替わります。このためマッチングされた曲はストレージの容量にはカウントされません。またマッチングされなかった場合はフォーマットは変更されません。
このストレージからのダウンロードしたファイルにはマッチングの如何を問わずDRMは付きません。

 

iCloudミュージックライブラリは、Apple Musicの付加的なサービスとして開始されたものです。iTunes Matchより後発のサービスです。機能としては、iTunes Matchと同等なものと考えて良いでしょう。自分の曲をiCloudに保存して別の端末からストリーミングしたり、ダウンロードしたりすることができます。また、例えば自分が持っていた曲がマッチングされると、Apple Music相当の曲と差し替えてくれます。元が低音質でもマッチングされれば高音質で聴くことができるわけです。機能だけでみると、iTunes Matchと同じです。実際にサービス公表時は、iTunes Matchとどう違うのか、Apple Musicに加入すればiTunes Matchはやめても良いのか?などサービスの違いがわかりにくく一部では混乱がありました。

しかし、ここでDRMの付加状況をみていくと違いが浮かび上がります。iCloudミュージックライブラリからのダウンロードは原則として全てDRMが付きます。もとから自分が所有していた曲でマッチングされなかったとしてもDRMが付きます! 本来DRMが付かないiTunes Music Sroreから購入した曲にもiCloudミュージックライブラリを経由してダウンロードするとDRMが付きます。ただし、iTunes Matchに加入している場合は、そちらの機能が優先されるためすべてDRMが付きません。このあたりが問題をややこしていくしている原因でしょう。

 

DRM付加状況まとめ

ある程度サービスについて理解できたと思いますので、DRMの付加状況についてまとめてみたいと思います。

ポイントとなるのはやはり、iTues Matchに加入しているかどうかだと思います。 
◎がDRMが付かない場合、XがDRMが付く場合です。

どこからダウンロードしたか?
iTunes Match
未加入
iTunes Mactch
加入
PC/Mac上のiTunesと同期して端末に曲を入れる(CD等からのリッピング
PC/Mac上のiTunesと同期して端末に曲を入れる
iTunes Music Storeから購入しPC/Mac上でダウンロードした曲)
iOS端末上でiTunes Musicストアから購入してダウンロード
iOS端末上でiTunes Musicストアから購入した曲をストアから直接再ダウンロード
Apple Music ストリーミング再生
iCloudミュージックライブラリからダウンロード
(My Musicに登録したApple Musicの曲)
iCloudミュージックライブラリからダウンロード
(もとから自分所有の曲でマッチングされた曲)
iCloudミュージックライブラリからダウンロード
(もとから自分所有の曲でマッチングされなかった曲)

 各サービスについての理解に不安があってもこの表を見ていただければ、どういう状況かわかると思います。

実際にサービスに加入していても端末側の設定でON/OFFができる場合があります。OFFの場合は、端末上ではサービスに加入していないのと同等な状態となります。

 

◎なぜ自分が所有していた曲なのにDRMがつくのか?

しかし、もともと自分が所有していて、かつマッチングもされなかった曲にもDRMが付いてしまうのでしょうか? おそらく単純にApple側の都合というかサービスを明確化するためではないかと僕は考えています。あくまで予想なのでここでは詳細な省きますが、 一般的なユーザーにとっては、音楽を聴くだけ良いはずですのでDRMの有無はあまり関係ありません。それにiTunes Matchに加入せずともApple Musicに加入するだけで、iTunes Match的な機能の恩恵を受けることができるわけですのでDRMが付いたとしてもユーザーメリットがあるという判断もあったのかもしれません。

今後、どうなるかはわかりませんし、推測をしていてもしかたがないので、我々ユーザーとしては仕様をしっかり理解して使いこなしていくしかないですね。

 

◎自分の曲にDRMが付いてしまう問題への対策

最初に決め手となる解決方法はないと書きました。DRM付加の仕様を見てみると実はiTunes Matchに加入するというのがシンプルな解決方法だとわかります。しかしiTunes Matchは有料サービスですので、それが解決に見合う金額かというところは意見の分かれ目かもしれません。

それ以外にも、対処方法としてはいくつか方法は考えられます。mimiCopyで利用するという前提でいくつか方法を考えてみたいと思います。

 

・端末側の設定を見直す

端末側で、Apple Musicをオンにして、iCloudミュージックをオフにすることはできますので、端末内に入れる曲は、PC/Macと同期するようにする。大容量の端末を持っている場合、iTunes Music Storeで購入する機会が多いという場合は良いかもしれません。。難点としては、Apple Musicの曲をローカルに保存できなくなることです。つまりストリーミングしかできなくなります。

 

・mimiCoyへはファイル共有で取り込む

mimiCopyはファイル共有に対応していますので、PC/Mac上のiTunesから直接mimiCopyにファイルを入れることができます。

ファイル共有についてはこちらを御覧ください。

iPhone、iPad、および iPod touch のファイル共有について - Apple サポート

 

・別のストレージサービス経由で取り込む(Open In ../共有機能を使う)

アプリ内のコンテンツを別のアプリにコピーする機能(Open Inや共有と呼ばれる)にもmimiCopyは対応していますので、多くのストレージサービスを利用することができます。(ストレージサービスのクライアントアプリが別途必要です)

GoogleドライブやDropboxiCloudドライブ等を経由してmimiCopyにファイルを取り込むことができるようになります。ストレージのクライアントアプリの共有ボタン、Open Inボタンを押せば、対応しているアプリの一覧が表示されますので、その中のmimiCopyを選べばOKをです。同様な方法でメールに添付された曲もmimiCopyで開くことはできます。

 

◎最後に

簡単に説明しようと考えていましたが、結局長くなってしまいました。みなさんの理解の助けになれば幸いです。

さて、実はまだ問題があります。上記表で◎の場合でも、まれにDRM付きと判断されてしまう場合があります。これは、ミュージックライブラリのデータベースが一部壊れてしまうことが原因であると思われます。

iOSのアップデート時、ミュージックライブラリの設定を大きく変えたとき、などに起きる可能性があります。iOSのバージョンアップに伴い問題が出る可能性は低くなっているように感じていますが、不測の事態でおかしくなってしまうということはありえます。このようなときは、端末内のミュージックライブラリを全て削除してやると良いようです。

 

Author

コイデマサヒロ

ディレクター、プロデューサー、ギタリスト。mimiCopyをはじめ弊社リリースの全てソフトウェア製品の企画を担当。ネイティブアプリ開発がメインでOS問わず対応可。dubバンドのギタリストとしても活動中。

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